臨床哲学への歩み
西川勝/著 天田城介/解説
ISBN 978-4-910751-04-7 2024年4月30日 発行
発売予定日 2024年4月22日
紹介文
「『わからない』というところから出発するためには、『わからないこと』に耐えつつ、『わからないこと』を相手と共に悩むような姿勢が必要です。それは自信満々の医療というものではありません」
自分が語るのではなく、苦しみのベッドサイドで相手の話を聴く哲学へ――。看護・介護から臨床哲学の道に進み、哲学カフェやダンスワークショップの活動にも取り組む著者の歩み、人々との出会いを語るエッセイ集。解説 天田城介
*『臨床哲学への歩み』初版第一刷の内容に誤りがありました。読者の皆様に心よりお詫びするとともに、以下の通り訂正いたします。
カバーそでの著者紹介
誤 1975年、大阪生まれ
正 1957年、大阪生まれ
目次
プロローグ――曖昧
1 臨床哲学への歩み
「感情労働」って言うな!――臨床哲学の立場から
医療に哲学は必要か?
生まれてこなかった子どものために
洛星高校で授業したよなあ――〈老いる〉を哲学する
2 ココルームのこと、とつとつダンスのこと
孤独に応答する孤独
釜ヶ崎の人、ふじやん
ココルームで遊びすぎた
愛のレッスン
認知症と呼ばれる老い人との関係を考え直す
3 出会いから考える
鷲田さん、とのこと
中井久夫は渋い――ナースだった男がしびれたこと
記憶のかけら――陸軍看護婦になった母
動くためにとまる
エピローグ――後知恵
あとがき
解説 「えらい気前のええお天道様やな~」という言葉を紡ぐ哲学の人 天田城介
シリーズ〈ホモ・クーランスの本〉
刊行のことば
「ホモ・クーランス homo curans」は「治癒する人」という意味。人間の本質を「治癒 cure」や「ケア care」の観点から名づけた表現です。シリーズ〈ホモ・クーランスの本〉は、ケアの現場にいる人々や、そのかたわらにいる人々の声を届けます。当事者、支援者、関係者、研究者……。それぞれの現場から聞こえる問いを分かち合い、人と人がともに生きるための知恵を、読者の皆様と探したいと願っています。
著者紹介
西川 勝(ニシカワ マサル)
1957年、大阪生まれ。専門は、看護と臨床哲学。元大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任教授。現在はNPOココペリ121理事。高校卒業後、精神科・透析治療・老人介護の現場で看護師や介護士として働く。一方で関西大学の2部で哲学を学び、後に大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。現在は「認知症コミュニケーション」の研究を行いつつ、哲学カフェやダンスワークショップなどの活動にも取り組む。著書に『となりの認知症』(ぷねうま舎)、『「一人」のうらに』(サウダージ・ブックス)、『増補 ためらいの看護』(ハザ)、など。共著に『ケアってなんだろう』(小澤勲編、医学書院)など。
天田 城介(アマダ ジョウスケ)
社会学者。1972年、埼玉県生まれ。中央大学文学部人文社会学科社会学専攻教授。著書に『老い衰えゆく自己の/と自由』(ハーベスト社)、『〈老い衰えゆくこと〉の社会学 増補改訂版』(多賀出版)、『老い衰えゆくことの発見』(角川選書)など。
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